界隈散策処

このコーナーは、上野界隈の散策処をご紹介いたします。

下町風俗資料館

住所:台東区上野公園2-1
電話:03-3823-7451
営業時間:9:30~16:30
入場料:一般200円・学生100円
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)
年末年始、展示替等整理期間

黒く塗られた木のゴミ箱。木の電信柱。遠くからパープー、パープーと豆腐屋さんのラッパの音。「ご飯よー、早く帰ってきなさーい」というお母さんの声。空を見ると真っ赤に染まった夕焼け雲。そんな街の風景もほとんど見られなくなってしまいましたが、心の奥に思い出として残っている風景・・・・・ 鈴本を出て左、マクドナルドの方へ渡り、左へ行くと不忍池に出ます。お池の入り口の目の前、ここに下町風俗資料館があります。中に入ると実物大に作られた下町の家並みが目に入ります。もちろん豆腐屋のラッパの音もお母さんの声も聞こえません。でも心に残った思い出とオーバラップして下さい。懐かしい生活の温かさがにじみ出てきます。       なくなっていく下町の生活風景を保存しようという目的で作られた資料館。展示されている数々の品物は、実際に使われていたものばかり、生活の温もりが感じられる物ばかりです。ついこの間まで身近な物として使っていたのが何時の間にかなくなっている。それを見つけた時、懐かしさを感じるとともになにかすごく大切なものを一緒に失ってしまったんではないかと考えさせられます。 一階は明治、大正の商家店先と長屋の再現。二階は下町の風景、風俗、子供の遊び、娯楽、生活用具など、実物や写真で紹介しています。

旧東京音楽学校奏楽堂

住所:台東区上野公園8-43
電話:03-3824-1988
営業時間:平日 9:30~16:30
公開日:日・火・木
(水金土はホール不使用の場合)
入場料:一般200円・学生100円
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)
年末年始、展示替等整理期間

上野の杜の台地は明治以来日本文化の中心となるように、博物館、美術館図書館などの施設が続々と作られ、文化活動が盛んに行われてきました。 音楽の分野においても、東京音楽学校が公園の西北の隅に設立され、明治の中頃には我が国最初のコンサートホールとして奏楽堂が建設されました。 木造でプラスター張りの奏楽堂は、当時最も新しい技術で作られ、音楽効果も十分に備えられ、このステージで演奏することが最高の名誉であると評され、数多くの音楽家を育てたばかりでなく、音楽愛好家もこの奏楽堂で育成されたと言えます。 ホール正面にありますパイプオルガンは、大正9年に徳川頼貞侯が英国から購入しましたが関東大震災で被災、昭和3年に奏楽堂に寄贈されましたもので、当時は最も進歩的な機構を採用し、十九世紀のロマン派の音色を上野の杜に響き渡らせてくれました。我が国最古の貴重なパイプオルガンです。 現在の奏楽堂とパイプオルガンは、昭和62年に移築され、館内を見学する事が出来ます。公開日によっては芸大の生徒さんによる演奏会もあったりします。

東照宮

住所:台東区上野公園
電話:03-3822-3455

上野の東照宮をご紹介いたしましょう。場所は上野のお山の中にあります。正面にある明神鳥居は、寛永10年に造られた物ですが、関東大震災の折りにも微動だにしなかったほど、基礎工事が完全であるというので、建築界の驚異の的になっています。この鳥居をくぐり参道をつき当ると、そこに重要文化財の唐門(写真)があります。 この唐門は慶安4年(1651)に建築された、日本には一つしかない総金箔の門で、正面両柱には左甚五郎の作と伝えられる、昇り龍と降り龍が彫られています。落語のネタにも「ねずみ」「竹の水仙」「三井の大黒など甚五郎を扱った噺がありますが、三代将軍家光は、「江戸城の北の端を守る水の神として、力強い龍を彫ってほしい」と甚五郎に命令しました世の中の邪念を捨て、一心不乱に制作に取り組んだ甚五郎に、彫りかけの龍は何度もつめで甚五郎をひっかいたそうです。傷だらけになった甚五郎ですが、出来上がった龍は素晴らしい出来栄えでした。魂が入った龍は夜になると火をはきながら遊んだり、不忍池へ水を飲みに出かけたりするようになりました。このはなしが江戸中に広がり、この龍の彫り物を一目見ようと人々が集まり、上野の町は大層賑わったそうです。 昇り龍(写真右)は頭を下げ、降り龍(写真左)は頭を上げています。頭を下げて謙そんな態度のものは向上し、頭をもたげたごう慢なものは、やがて降る運命にあることを暗示していると言われています。

湯島天神

住所:文京区湯島3-30-1
電話:03-3836-0753

お蔦、主税の悲恋物語「婦系図」の舞台でも有名な湯島神社は、鈴本から歩いて5分。高台にある神社へはこちらから行かれると、ゆるやかな女坂か急な男坂の石段を登ります。学問の神様、菅原道真公をお祭りしているのでご利益は学問、手習い、受験。二月の受験シーズンには、必死の形相の受験生と親御さんで、合格祈願のご祈祷は列をなします。また受験校を書いた絵馬がいっぱいかけられ、見ているこちらまで頑張ってと言いたくなってしまいます。またこの時季は「梅まつり」が開催され、境内の百本以上の梅の花が咲き誇り、春の訪れを知らせます。 また湯島神社は石碑が多くあるのも特徴で、新派百年記念の碑、泉鏡花筆塚、そして王貞治氏の「努力」と力強く彫られた碑もあり、境内を探し歩くのも楽しいかと思います。 さて、現在の御本殿は平成7年12月に、総桧木造りで建て直されました。現在の法律では建築基準法により、木造による建て替えができないという壁もありましたが、関係者の皆様の御尽力により、日本初の建設大臣認定第一号として木造建築が許可されました。後世に残る平成の文化財として、すばらしい社殿が出来上がりました。 桧木の香りが漂う湯島神社、ぜひご参拝い下さい。

旧岩崎家住宅(旧岩崎邸)

住所:台東区池之端1-3-45
電話:03-3823-8340
営業時間:9:00~17:00
定休日:年始年末(12/29~1/3)
入場料:150円(65才以上、小学生以下)都内在住・在学の中学生は無料

三菱財閥の創設者である岩崎弥太郎氏の長男、岩崎久弥氏の旧宅です。洋館と和館を併設する典型的な明治期の大邸宅です。設計はイギリス人のコンドル氏によるもので、氏の代表作にはニコライ堂やドイツ大使館などがあります。当時の洋館が煉瓦造りや石造りが多い中で、岩崎邸は木造で、西洋館に見られるような厳つい風格というよりは、繊細でやさしい感じがします。木造二階建て地下室付き、建築面積160余坪の洋館とそれに続く和館、スイス山小屋風の撞球場(ビリヤード場)とは地下道でつながっています。 洋館の装飾には17世紀のジャコビアン様式が取り入れられ、全体的にはイギリス・ルネサンス風となっています。南側(写真)は列柱の並ぶベランダで、その列柱も一階はトスカナ式、二階はイオニア式の装飾が施されています。明治期の豪邸の集大成と言っても過言ではありません。 さて以前から一般公開を東京都にお願いしておりましたが、平成13年10月より都立・旧岩崎邸庭園として一般に公開されることになりました。是非一度この素晴らしい建築物と庭園をご覧になっては如何でしょうか。

三四郎池(心字池)

うっそうとしたした木々に囲まれた池。どこだかお分かりですか。正面に見える時計台にお覚えありませんでしょうか。そう、昭和44年学園紛争の最後の砦となった東京大学安田講堂です。安田財閥の寄付金で建ったのが名称の由来だそうです。ということはここは東京大学の中。この池は夏目漱石の小説で有名な三四郎池です。正式には心字池(しんじいけ)と言うんだそうです。 近代日本をリードするエリート達を輩出してきた東京大学本郷キャンパスは、加賀百万石前田藩の上屋敷跡で、総面積は17万坪というとてつもない広さです。三四郎池はこの敷地のほぼ中央に位置しています。池の周りは、いろいろな木々、植物が豊富で、途中滝があったり、フィールドアスレチック風に小道があったり、休憩するベンチや大きな石があったりと散策にはもってこいの場所です。それになにより空いていて都会の喧騒を一時忘れさせてくれます。また池から数分のところに東大赤門がありますので、お時間がありましたらこちらも見学なさっては如何でしょうか。 道順はちょっと面倒ですが、上野駅から東大病院行きの都バスに乗り終点まで行かれるのが一番早いと思います。

不忍池 水鳥ウォッチング

冬の不忍池(しのばずのいけ)を訪れると、たくさんの水鳥に出会うことができます。なかでも数が多いのはユリカモメと、オナガガモ、キンクロハジロのカモ類2種です。3種とも飛ぶことも水面を泳ぐこともできるのですが、それでもよく見ていると得意、不得意があるようです。 まず、ユリカモメですが、カモ達と比べると翔びまわることにかけては一枚も二枚も上手です。池のほとりでパンくずを投げていると、水面に着水する前に空中でサッとくわえてGETします。これではカモはどうしようもありません。着水してカモがくわえても、パンのサイズが大きいと空中から攻撃をしかけて横取りしてしまいます。 次にオナガガモです。くちばしのおおきなカモは水面に落ちたこまかい餌を、掃除機にかけるように上手に食べます。くちばしが小さい上に、泳ぐスピードの遅いユリカモメはこういうケースではかないません。大きな体格に似合わずオナガガモは陸上で歩くのも得意で、路上にまかれた餌を拾うのもハトに負けないくらい素早く上手です。 キンクロハジロが陸上で休んだり、歩き回って餌を拾う姿を見ることはあまりありません。オナガガモとキンクロハジロを見比べると、オナガガモは胴体の中央付近から脚がのびており、陸上で立つときにバランスがとりやすくなっています。それに対して、キンクロハジロの脚は胴体の後ろの方からのびており、陸上生活ではバランスのとりにくそうな体型をしているのです。実は後ろからのびるキンクロハジロの脚は潜水するのにとても有利にできており、スクリューがわりになる足を後方につけたことで水中に沈んだ餌を自由にとることができるのです。逆立ちして首をのばして水中の餌をとるのが精一杯のオナガガモでは、すばしっこく水中を泳ぎまわれるキンクロハジロにはかないません。 今度、お気に入りの水鳥を決めてエサ取り合戦を応援しにきてみてはいかがですか? ●不忍池 水鳥ウォッチングのご紹介は、上野のれん会発行のタウン誌に掲載されました、上野動物園飼育課の冨田恭正氏の記事を氏のご好意により転載させていただきました。ありがとうございました。皆様もぜひ不忍池のバードウォッチングと散策にお出かけ下さい。

ぼたん苑

上野東照宮のぼたん苑では、2月下旬まで冬ぼたんを公開しています。古来より、新春を寿ぐ花として「冬ぼたん」を飾ることが最上といわれていました。雪除けのワラ囲いの中で、可憐な花を咲かせる冬ぼたんの風情は観る人の心を和ませています。 東照宮ぼたん苑では、貴重な冬ぼたん約40種類、約600本が公開されます。(気候により開花の時期が変わることがあります) 開苑時間は午前10時より午後4時まで、入場料金は800円となっています。お問い合わせは、03-3822-3575までお願いいたします。

両生爬虫類館(VIVARIUM)

住所:台東区上野公園9-83上野動物園
休園日:月曜日(祝日の場合翌日)
年末年始(12/29-1/3)

誰でも知っている上野動物園、その正門は上野の森にありますが、もう一ヶ所「池之端門」というのがあるのをご存知ですか。不忍池(しのばずのいけ)の一番端にある入り口です。この不忍池側のエリアには建物内部全体を暗くして、夜行性動物の行動が観察できるコーナーや、ヤギやウサギなどの小動物達と直接触れ合うことの出来る”子供動物園”があります。 さてこの度新しい施設が池之端門の隣に出来上がりました。「両生爬虫類館」です。爬虫類というと好き嫌いがはっきり分かれますが、噺家の中では桂南喬師匠がまったくの苦手。見たり触ったりなんていうのは当然ダメですが、以前旅先で仲間の芸人さんと歩いていると横断歩道で突然「俺、反対側から行くから」 「でも師匠、会場はこちら側ですよ」「いいんだよ、俺は向こう側を歩くから」と言って反対側に渡ってしまったそうです。まぁ師匠がそう言うならとそのまま歩いていくと、なんとその先にトカゲやヘビを売っているお店があったそうです。初めて来た町だったそうですが、南喬師匠くらいになると、この先にその手のお店があるということが本能的に察知できるんだそうです。苦手もここまでくると超一流です。  苦手な方はさておいて、この両生爬虫類館ですが建物面積1,792.2㎡、高さ14.4m、ガラス張りの植物園を思わせる館は、熱帯の自然をテーマに、熱帯雨林、サバンナ、砂漠と区分けして、動物と植物とが一体となった棲息環境がわかる展示になっています。 ゲージ数22ヶ所。コモドトカゲ、ガラパゴスゾウガメなどの爬虫類、オオサンショウウオなどの両生類、アジアアロワナなどの魚類。タビビトノキ、バオバブなどの熱帯植物は190種、3200点に及びます。通常の動物園の入園料 (大人・500円、中学生・200円、小学生以下無料)でご覧になれます。 ぜひ一度行かれてみてはいかがでしょうか。 ただし中はかなり蒸しますので、汗拭きタオルを忘れずに・・・・